Hondaは国内の5つの製作所ごとにあった経理部門を、埼玉県和光市のオフィスに集約しています。財務諸表をまとめる制度会計を担う私たちの課も、各製作所ごとではなく、固定資産担当、支払い業務担当、帳簿をまとめる総勘定元帳の担当といったチームのつくり方で、すべての製作所に横断的に携わり、統一的な会計処理を行っています。私自身は固定資産担当チームを経験した後、今は総勘定元帳のチームに所属し、鈴鹿、埼玉、浜松、栃木、熊本の製作所のすべての取引を集計し、数値の妥当性を担保する業務を担っています。
業務の標準化、効率化を図るための経理部門の集約ですが、これは会計を担う私たちにとってのやりがいにもつながっています。例えば、投資をするにあたり稟議書をみることで「投資規模」「事業戦略」など、経営層などの意思決定者が事業のどこに重点を置いているかなどを感じとることができます。全事業所を横断的に見ることで、Hondaの経営活動が大局的に捉えられるということです。製品では二輪、四輪、パワープロダクツ、航空機といった領域があり、各拠点が世界中の工場や営業拠点とやりとりをしており、研究活動もあればレース活動もある。私たちは数字からビジネスの全体像や経営の意志を感じとります。
会計の分野の勉強をしたことがなく、簿記の資格も持っていなかったので、最初は先輩たちの会話についていくだけで大変でした。具体的な問い合わせに対応する実務と、会計処理の理論の勉強を行き来しながらやっていくうちに、1年目が終わる頃、気づけば製作所の人に自分から説明ができていました。実際に製作所に足を運んで生産設備などの固定資産を確認したりするなかで、数字の意味も見えてきて、会計リテラシーが高まっているのを感じます。
まずは数字を正確に整理し、ときには豆粒を見つめるように細かく確かめながら、
その数字の意味することをより学んでいく段階に自分はいます。
ただ、それで終わるつもりはありません。
Hondaを大局的に見て、数字の変化から時代の兆しを感じ取り、
強みを正しく把握して、次を考え、アウトプットしていける人になりたいです。
私を含む3年目と、2年目、1年目のメンバーを合わせて、若手が9人所属しているチームで、活気があります。それを課長、係長、チームリーダーが見守ってくれています。課長も私のチームリーダーも女性で、メンバーの男女比率のバランスもいいと思います。
クルマが好きで、1年目にシビック ハッチバックを買ってから、毎週末ドライブを楽しんでいます。時々、土日を使って軽井沢、箱根、伊豆などに一泊のドライブ旅行をすることも。同期と一緒に行くこともあります。
会計のことも一から勉強を始めた自分がここまで頑張れて、成長できてきたのは、
同じ時期にスタートして、切磋琢磨してきた同期がいてくれたからだと感じています。
忙しい決算の時期を乗り越える苦労と乗り越えたときの達成感を分かち合ううちに、絆はとても強くなっています。
高校のときはサッカー部に熱中。大学時代は国際交流サークルに所属して、交換留学生の日本での生活のサポートをしたり、一緒にアクティビティを楽しんだりしていました。小学生の頃、アメリカのテキサス州で育ったこともあり、違うバックグラウンドの留学生と接したい気持ちがありました。
私は商社や金融といった働き方よりも、物事をつくって前に進めるメーカーで働きたいと明確に思っていました。海外で過ごした頃に日本車を多く見ていたことと、変化の時代の自動車業界に飛び込んでみたかった。なかでもHondaを選んだのは、クルマだけではない多岐にわたる事業があり、人の可能性を拡げられると思ったからです。
私自身、多岐にわたるHondaのビジネスに魅力を感じていながらも、
それが「経理財務」という仕事で叶うとは当初思ってもいませんでした。
外から見えにくいところにもおもしろい仕事は多くあるので、職種の選択肢を広げてみることをお勧めします。
会計の知識は入社後に研修や先輩の指導、実務と理論の反復で充分学んでいくことができます。
※取材内容、および登場する社員の所属は取材当時のものです。