運転支援システムであるHonda SENSINGの研究開発に携わっています。なかでも私が担当しているのは、ACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)。カメラとミリ波レーダーで前走車との距離や速度差を検知し、ドライバーの設定した車間距離を維持して追従走行する制御システムです。新機種への搭載をターゲットに、より精度の高いシステムの開発を進めており、アメリカやドイツの研究開発拠点に赴いて現地での適合性テストをする機会もあります。
未来の自動運転にもつながる運転支援システムは、いま自動車業界で最もホットな領域のひとつです。各メーカーがしのぎを削って研究開発に取り組むなか、Hondaは私のような若手でも、やりたいことをロジカルに訴えて認められれば、自分で研究開発業務を推進できます。事実、いまオデッセイに搭載されているACCは私が主導して作り上げたもの。そんな経験を早くから味わえることに、私は大きなやりがいを感じています。
いちばん印象に残っているのは、オデッセイに搭載されたACCの開発です。さらに高度なシステムを目指し、ドライバーの感覚に合ったACC性能の実現に奮闘。周囲のサポートも得ながら私が開発をリードし、様々な課題をクリアしながらACCの新たな基準となる仕組みを作り上げることができました。苦労も多かったのですが、成果を上げたことで自信に繋がりましたし、Honda SENSINGの進化にも貢献できたと思っています。
Honda SENSINGは「技術」ありきではなく、「ドライバー」ありきのシステムです。
いま私が開発しているACCも、自動車の交通環境に存在する様々な交通参加者(自動車、自転車、歩行者等)に対して
安全に走れるように機能進化を目指し、ドライバーの負荷を軽減してもっと運転することが楽しくなるような世界にしたい。
こうしてドライバーに寄り添いながら、
この技術を通してHondaが掲げる「交通事故ゼロのモビリティ社会の実現」の力になりたいと思っています。
いま私が所属している研究開発チームはみんな仲が良く、とてもコミュニケーションが活発です。お互いに持っている情報を共有し、何か問題が発生すればみな解決のためのアイデアをどんどん出してくれる。何でも自由にモノを言い合える雰囲気で、私も周りのメンバーから常に新しい知見を得て開発を進めています。
すでに結婚して妻と二人暮らしですが、私はあまりアクティブなタイプではなく、休日は家でテレビなどを観ながらのんびり過ごすことが多いですね。あと、子犬のコーギーを飼っていて、一緒に外出してあちこち散歩するのが私のリフレッシュ法です。
Hondaの先進技術研究所には、本当に優秀な人材が揃っています。
私がまだ知らない分野の技術に精通している同僚と議論するのはとても勉強になりますし、
一方で自分が発案して進める開発に対しては、そうしたメンバーが進んでサポートしてくれます。
一緒に働く仲間には本当に恵まれていると思っています。
学生時代は制御工学を専攻し、研究活動に没頭していました。取り組んでいたのは、新規機構のモーターの研究開発。平面上を二次元で動くモーターを実現するための理論構築と実験検証を重ねていました。海外の学会にも参加し、研究成果を英語でプレゼンテーションした経験もあります。
私は父親の仕事の関係で、4歳から13歳までアメリカで暮らしました。自分を表現することを求められる文化のなかで幼少期を過ごしたこともあり、私自身、何かに縛られるのが嫌で、自分の意思が正しく尊重される生き方をずっと望んできました。就職にあたっても、まさにHondaならそれが叶うと大いに魅力を感じ、入社を志望しました。
就職活動にあたっては、社会に出てから自分が何をやりたいか、どうありたいのかを、
時間を設けてきちんとイメージしてみることが大切だと思います。
じっくりと考えた上で、それがHondaで実現できそうだという確信を得たのなら、
ぜひ私たちの仲間になってほしいと思っています。
※取材内容、および登場する社員の所属は取材当時のものです。