現在、自動運転やコネクテッドなどの領域では、様々な企業が自社に有利な形で標準化を進めていこうとしのぎを削っています。先進事業知財課のミッションは、標準化の仕組みと特許の取得などを通じてグローバルレベルでの競争力を生み出すこと。現在、私たちは知的財産担当として出願や調査を主に担当していますが、標準化における他社の動向リサーチも行い、Hondaとして今後どのような技術開発に力を入れるべきなのかといった戦略面の検討も実施しています。
この仕事の醍醐味のひとつは、先端技術に触れられること。もともと大学時代から技術に対する関心が高かったということもあり、多彩な技術の知識を吸収できることは大きなやりがいになっています。もうひとつは、特許庁との交渉のなかで幅広い権利を取得できたとき。技術の利益を最大化できるかどうかは知的財産担当の腕の見せ所ですし、特許の取得を通じて技術者の方から信頼を得られたときが一番嬉しい瞬間でもあります。
配属されてすぐのころは、四輪事業におけるトランスミッション開発の特許を担当していました。どのようにして技術者の方と協議しながら“種”を見つけていくのか。どのタイミングで世界の出願状況をリサーチするのか。そして、どのように連携していけば開発者の方々が動きやすくなるのか。四輪事業ではHondaの知的財産担当としてのあるべき姿を学びましたし、ここで身につけた基礎は現在も私を支えてくれています。
「自由な移動の喜び」は、Hondaが掲げる環境・安全ビジョンのひとつ。
現代社会には高齢者の方をはじめとして運転をしたくてもできない人がたくさんいます。
知的財産担当として標準化活動を戦略的に推進し、Hondaの自動運転の技術を世界に広めることで、より多くの人が「自由な移動の喜び」を気軽に手に入れられるような未来を実現すること。同時に、Hondaが世の中に期待される企業として存続し続けることを両立させること。それが今の私の目標です。
Hondaには、社員の挑戦心に応えてくれる環境があります。私自身、AIに興味があるという意思を伝えたことがきっかけで現在の部署に異動させてもらいましたし、自分たちがやりたいことに対して上司は常に「とりあえずチャレンジしてみるか」と後押ししてくれます。
Hondaにはプライベートを大切にする文化があるため、ドライブやツーリングなど社員それぞれが色々な趣味を持っています。私の場合は平日はAIなどに関する書籍を読んで知見を広げていますが、週末はミュージカルなどを見てリフレッシュしています。
技術者の話に耳を傾け、質問し、より深く最先端技術を理解していく。
知的財産の部署には理系出身や文系出身も所属していますが、
この仕事では技術や法律に関する知識だけでなく、そんな“聴く力”も重要なスキルのひとつとなっています。
大学時代は弓道に力を入れていました。試合では華やかな部分が映されますが、その一方で地道な努力が求められるスポーツでもあります。特許の仕事もひとつひとつの積み重ねが重要ですし、弓道で培った精神と通じるところもたくさんあるんです。
私の入社理由は“人”。Hondaの面接には企業と学生のあいだに壁のようなものがなく、「あなたの人柄が知りたい」という温かい空気だけが漂っていたんです。一人の人間として向き合ってくれている。その嬉しさがそのまま私の決め手になりました。
もともと私は研究開発職を目指していたのですが、人事の方とお話するなかで今の仕事に出会いました。
なにが縁になるかわかりませんし、無理に背伸びする必要も、遠慮しすぎる必要もありません。
ぜひ等身大の自分で面談に臨んでください。
※取材内容、および登場する社員の所属は取材当時のものです。