ライフクリエーションの研究領域は、四輪と二輪以外のすべて。発電機や耕うん機、汎用エンジンと多岐にわたるプロダクトのなかで、私は主にロボット芝刈り機「Miimo」の電装系の開発を担当しています。市場に出回っている製品のモデルチェンジ、市場の声を反映する商品のソフトウェアアップデートも私のミッションのひとつ。世界中のユーザーの期待に応えるために、各国の支社とも協議しながら数種類のプロジェクトを進めてきました。
「芝刈りや草刈りの負担が減った」「この製品を同業者に自慢したい」。そんな笑顔に出会えることが、農機具系ロボット開発の最大の喜びになっています。発売直前は「ユーザーに受け入れてもらえるだろうか」と気が気ではないのですが、その反面、農園の視察などで自分が手掛けた製品の雄姿が見られたとき、直接お客様から喜びの声をいただけたときには、これまでの苦労が一気に報われたかのような達成感を味わうことができます。
入社2年目に初めて担当した、Miimoの不具合の解析が一番印象に残っています。当時、市場でトラブルの報告があり、上司から「想定外の動作について調査してほしい」と依頼されたんです。原因を特定するのに数ヵ月ほどかかってしまったのですが、これまで学んできた知識で成果を出せたことが純粋に嬉しかったです。不具合の解析を通じて多角的な視点から問題点を洗い出していくことの大切さも学ぶことができました。
現場を視察して実感するのは、「農業には解決すべき課題がたくさんある」ということ。
芝刈りだけでなく、農薬の散布や果物の間引きなど手間のかかる作業が数多く残されていますし、
少子高齢化や労働人口減少などの社会情勢も踏まえると“機械による自動化”の重要性は今後ますます高まっていくと思います。
農業の未来を支える、新たなプロダクトを生み出すこと。それが今の私の最終的なゴールだと思っています。
最先端の設備が整っていることはもちろんですが、研究やテストに必要な機材であれば、たとえ高価なものであってもHondaは積極的に投資してくれます。私の提案ではありませんが、本センターには数億円規模の電波系の研究設備も設置されています。
Hondaでは休暇もしっかりと楽しめます。私自身、お休みの日は山登りや旅行、ボクササイズなどを楽しんでいますし、海外との打ち合わせがスムーズになるように英語の勉強にも取り組めています。最近、将来のために中国語も学び始めました。
「じゃあ、君はどう思う?」が、私たちの口ぐせです。
常に「その製品を通じて、どんな世界を実現したいのか」が求められますし、
この部署で活躍している人は技術力だけでなく、
自分の考えを人に伝える“発信力”の高い方が多いように思います。
大学の4年間は、塾講師のアルバイトに励んでいました。この経験で鍛えられたのは、自分の考えを言語化して人に伝える力。最近はプレゼンする機会が多くなってきているのですが、人前で発表するときには改めて「塾講師で訓練しておいてよかった」と思います。
二輪や四輪だけでなく、枠にとらわれずに色々なものづくりに挑戦できる。そんな魅力に惹かれてライフクリエーションセンターに興味を持つようになりました。Hondaの社員にこだわりの強さを感じたことも入社理由のひとつ。「このプロ集団の一員になったらどんな未来になるんだろう」というワクワク感が、Hondaに飛び込む大きなきっかけになりました。
どんなアイデアも、なにかしらのインスピレーションから生まれるもの。部活でもアルバイトでも趣味でもいい。
自分が一生懸命に取り組んだことがどこで芽吹くかわかりませんし、
ぜひ大学時代は自分が好きなこと、興味があることに没頭してください。
※取材内容、および登場する社員の所属は取材当時のものです。