法務部の使命は、法律家という立場から事業を成功に導くこと。コンプライアンス関連業務はもちろん、ビジネスパートナーとの取引形態の考案や契約の交渉、国内外における訴訟対応なども重要な仕事のひとつになっています。現在、私はアメリカにおける訴訟を担当することが多いです。海外現地法人のスタッフや国内のエンジニアと日々議論しながら、現地の裁判所にHondaの技術力やHonda製品の安全性を正しく伝えるための訴訟戦略の立案、法的書類の作成などを行っています。
私はビジネスパートナーとの取引形態の考案や契約交渉を担当していた経験が長いのですが、取引形態の検討においてはお客様、ビジネスパートナー、Hondaの三者にとって最も価値のある形とは何かを追求する必要がありますし、契約交渉においては「どこまで譲歩し、なにを勝ち取るのか」という戦略が必要になってきます。法律の専門家としてどのように状況を読み解き、どのような方向性を示していくのか。非常に難しい決断ではあるのですが、専門知識を最大限に活用してプロジェクトチームの信頼、期待に応えられることは法務の大きな醍醐味になっています。
現在、過渡期にある自動車業界は、異業種との提携が加速しています。特に記憶に残っているのは、グローバル企業との契約締結。Hondaとしても経験値が少ない領域での交渉ということで、当時は手探りのなかでプロジェクトを進めなければならない状況でした。正解がないなかで、正解を探り当てていく。壁にぶつかり続ける1年でしたが、この日々のおかげで自ら道を切り拓くという自分自身の“理想の姿”を明確に描けるようになりました。
私の夢はHondaの一員として、世界中の人々の生活を豊かにする製品、サービスを生み出すこと。
法務がプロダクトそのものをつくることは難しいかもしれませんが、
新しいイノベーションを生み出すための業務提携や契約交渉など法務の力が求められるフィールドはたくさんあります。
この目標を実現するためにも、今後は世界レベルで通用するような交渉力も磨いていきたい。
そして将来、法務という立場から事業を導くことができるプロになっていきたいと考えています。
法務部の特徴は、“三現主義”が貫かれていること。上司には「自分の目で見て、耳で聞け」と言われることもありますし、日頃から現場の方と議論するなかで「本質的な問題はなにか」「どう解決するのか」を突き詰めることが大切にされています。
フレックス制度や定時退社日など、自分のライフスタイルに合わせて働ける環境があることは当社の魅力のひとつです。普段のお休みは旅行やスポーツ観戦を楽しんでいますし、平日は今後の事業展開に関係しそうなデータ関連法などの新しい領域の法律を勉強しています。
法学部出身ではない方、海外駐在から戻ってきた方。
様々なバックグラウンドの方が所属していますが、契約や訴訟など幅広い業務経験を持ち合わせていながらも、
「この人は海外訴訟に詳しい」「交渉に強い」などなにかしらの“武器”を持っている方が多いように思います。
大学時代は、無人島で生活するというサークルに所属していました。当時の活動がきっかけで旅行が趣味になりましたし、このとき身についた「環境に左右されずに、今あるものでどうするか」というスタイルは現在の法務の仕事にも活きていると思います。
小学生のころからF1が好きだったのですが、その世界にHondaという日本メーカーが参戦している姿は純粋に「かっこいい」と思いましたし、大学生になってもこの憧れが色あせることはありませんでした。企業哲学に共感したことも大きいのですが、「自分も日本を背負って働きたい」という想いが一番の原動力になったと思います。
若いときの失敗は、いくらでも取り返すことができます。大切なのはそこから学び、糧にすること。
むしろ失敗を恐れて小さくまとまる方がずっと怖いと思うんです。就職活動でも仕事でも、自分を信じて果敢に飛び込んでください。
そして、自分の成長を自らの手でつかみとってください。
※取材内容、および登場する社員の所属は取材当時のものです。